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https://twitter.com/GOODBYE_KITTY3/status/1788912786707554721
Twitterで主人公がヤバいという映画版の感想を見かけたので、読んでみた。実は以前、数ページ読んで挫折していたのだが……
映画は未視聴。
小説を読んだ印象ではそんなにヤバくない。主人公の性格の悪さを楽しむみたいな読み方ができるほどではない。
作中で二回、中指を突き立てるシーンが有ってちょっと下品だとは思うが。カナダで5年間暮らしていたせいだろうか?(風評被害)
単行本版8ページで、荘厳な校門に見下された気がするというような理由で、通ってない学校の銘板に蹴りを入れるDQNであるが、それ以降は基本的にサバサバしている。
p52
私、可愛い子見るたび思うのよ、アイドルになればいいのにって。でもきっときっかけがないんだと思う。だから私が作ってあげるの。
p194
「アイドルになりたくない女の子なんているんですか?」
「そりゃ沢山いるだろう。」
「みんな言わないだけで、心のどこかでは夢見ているんじゃないかってわたしは思います。」
主人公は上記のようなちょっと危ない思想を持っている。その可愛い子の意志を置き去りにしてるよね。
が、そのあたりは終盤の展開が答えになっているので、成長物語として成立しているように思う。
ボランティアの件に関しては、小説では、主人公は仲良くなりたい亀井美嘉から勉強を教えるボランティアに誘われた立場である。誘われて勉強のボランティアに行った際、ボランティア団体のトップの馬場さんから登山のボランティアに誘われる。どんなボランティアかよく知らないまま、友達誘ってもいいですか?と言って、やや軽率に参加を決める。
登山ボランティアに友達の華鳥とくるみを連れて行くと、馬場さんに呼び出され、「2人も連れて来るなんて聞いてないわよ」と笑みは一切浮かんでいない顔で言われる。これはボランティアについて詳しく説明せず、軽い約束で済ませた馬場さんもどうかと思う。そのあたりの連絡がうまくいかず、グループが分かれることになり、友達みんなと気まずい雰囲気になってしまう。馬場さんにボランティアに来たことについて感謝もされたものの、最初からつまずいてしまった高校生が混乱してうまく対応できないのは仕方ないと思う。
味噌汁の捨て方はどうかと思うが。
登山ボランティアをする前に、くるみに近づく際に仲良くなった、撮影が得意なシンジに写真の拡散を手伝ってほしいと言う場面がある。
p90
「今回は可愛く撮らなくていいんだよ。ボランティアやってるっていう証拠が必要なだけなの。そういう活動してるとさ、なんかいい人っぽいじゃん。」
「なんか棘のある言い方だね。」
「アイドルになったら、過去はすぐに暴かれる。さあ問題、その時に男との写真が見つかるのと、ボランティア活動に身を捧げている写真が出てくるの、どっちが好感度高いでしょう?」
写真を拡散することに関して、露悪的な言い方をしている。
写真を残したいという思惑があっても、ボランティアに参加することはえらいのではないだろうか。
ボランティアは、基本的に誘いがあってやっているし、難しさみたいなものも描かれている。
普通に楽しむ分にもひねくれた読み方をする分にも、そこまでおすすめの本という感じではない。まあ普通に面白かった。
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自分からたくさんの人を遠ざけてしまった人という印象。
昔は口パクが少ないというイメージがあったが、中森明菜が松田聖子が口パクしていることを確認して、どんなに声がガラガラでも意地で歌ったというエピソードがあり(p154)、昔も技術的には被せなどができたのだなぁと知った。
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笑えるんだけど、「京大芸人」より普通にかわいそうで切ない話が多いような。芸人さんは大変だなぁ。