「機動戦士ガンダム 水星の魔女」がクィアベイティングだと言われている件の感想

ガンダムエースの電子版から「結婚」というワードが消される会社は同性愛への検閲に対する説明を – Togetter
https://togetter.com/li/2194822
この件で「クィアベイティング」だと怒ってる人の感覚がよく分からない。
そう言われるほど同性愛だのバイセクシャルだのを匂わせていたっけ?
私はどちらかというと、グエルがスレッタに求婚するシーンや、スレッタとエラン4号の少女漫画チックなエピソードが印象に残っているのだが。
最終的に誰と結ばれたかぼかす創作物なんてよくあると思う。
同性婚が認められている世界だからって、登場人物が同性婚しなければいけない理由はないだろう。
私は今回の件も含め、「クィアベイティング」という言葉がくだらない使われ方をしている事例しか見たことがない。
勝手に期待して、期待外れだった場合に対象を叩くための便利な言葉になっていないか。
若者が成長の過程で、自分は発達障害ではないか?人格障害ではないか?性的少数者ではないか?と悩むことはよくあると思う。
たとえば子役とかアスリートとか、若くして世に出ている人が自分は同性愛者かバイセクシャルの可能性があるかもしれないとポロッと悩みを発信して、結局違ったら、それはクィアベイティングになってしまうの?
発達障害や人格障害だったら、「傾向はあるかもしれないけど、障害というほどではないと思うよ」とかで済むのに。
こうやっていちいち怒られるんだったら、よほどこだわりのあるクリエイターでなければLGBTQ的なものを少しでも作品に登場させるのは損だし、セクシュアリティの悩みや問題について語りづらくなる。
性的少数者の象徴だと広まってからは、虹すら使いづらくなってしまった。MISIAさんが東京五輪の開会式やフジロックでレインボーのドレスを着て国歌を歌い、なんやかんや言われていたのは記憶に新しい。
そういえば、メギド72というゲームで、男女のカップルが結婚したことをゲーム内イベントで祝ったら、同性愛好きの人たちが怒った事件があった。多様性を掲げるゲームなのに、と。
結婚したキャラのファンが怒るなら分かるが、そうではないらしい人たちが、常人には分かりづらい理由で怒っていた。その時もクィアベイティングだと書いている人はいた。マイナーなゲームで、普通に祝ってるプレイヤーがほとんどだったので、特に問題にされなかったが。これをきっかけにゲームをやめると宣言してアカウントを消した人もいるが、「ガープ 結婚 多様性」「性的多様性 メギド」「結婚 メギド 多様性」などでTwitter検索すると痕跡が出てくる。
同性同士のいちゃつきがあって虹が出てくるからといってLGBT応援作品とは限らない。適当につけたピアスや銭湯の鍵の位置が、たまたま同性愛者のサインと一致することだってある。ちょっとした事柄をLGBTのサインだと思い込まれると、関係ない人間まで巻き込まれるからやめてほしい。
LGBTQ関係の話題ですぐ怒る人が、逆に世の中を息苦しくしているのではないかという気持ちになる。