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マル暴で真面目に働いてきた警察官の話。
p9
ヤクザ社会というのは、やれ侠気だ、任侠道だと、自らの存在を美化するところがある。「親分のため」「メンツのため」と犯罪行為や組織暴力を正当化しているのだ。
しかしその実、暴力団事件で酷い目に遭うのは、何の罪もない一般人であり、立場の弱い女性や子供である。
凶器が捨てられたのがアザラシのタマちゃんが出没していた上流。大規模に川底をさらうと、下流が濁ってタマちゃんが逃げてしまう可能性があり、捜査がマスコミの注目を浴びる事態となる恐れがあった、という話が少し面白かった。(p122-123) あの頃にそんな苦労があったとは。
p219
歌舞伎町には、イランやナイジェリアなどの外国人グループがあるが、ベトナム人マフィアは凶暴性という点で抜きん出ていた。まず、普段の私生活からして、武装している。ベトナム人マフィアは抗争時でなくても、リュックサックに刃渡り30センチはあろうかという牛刀を携帯していて、ベトナム人同士でもすぐに殺し合いをおっぱじめていた。
シノギも荒っぽいものだった。
……なぜ?
「グエン(ベトナム人に多い名前)がグエンを殺した」「登場人物全員グエン」みたいなネットのネタがあるけど、そういう事件を起こすのはマフィアなのかな?
p242
こんなことを言うと、自白強要の危険があると批判されるかもしれないが、40年を超える警察人生に鑑みて言いたい。私は取り調べに弁護士を立ち会わせることに賛成できないのである。(中略)罪を認めている被疑者に対してさえ、「何も答えるな」とか、「署名するな」とか指示する弁護士は少なくない。特にヤクザの事件では組織が差し向けた弁護士が、留置場の被疑者に圧力をかけてくるようなことが、実際に起こっているのだ。
なるほど、そんなケースもあるのか。企業が関わっている犯罪とかでも同じようなことが起きてそう。一般人としては警察に勝手にストーリーを作られるのも怖いから、難しいなぁ。
記者に捜査の情報をリークしているのは警察の上層部らしい。(p148-149)
じゃあ直らなそうだな……