『井島ちづるはなぜ死んだか』

井島ちづるはなぜ死んだか

90年代サブカルの呪い【電子書籍】[ ロマン優光 ]

価格:550円
(2021/12/6 15:29時点)
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『90年代サブカルの呪い』で知った本。
著者が井島ちづるに恋しているかのような書きぶりで不思議に思ったが、当時は実際に恋愛のようなつもりで接していたということが最初の方に描いてある。井島の死を知って取り乱し、遺品をできるだけもらうというところに愛を感じた。
自殺に関する企画で、井島による著者へのインタビューが載っている。母親の浮気・新興宗教の入信、父親の暴力、教師による性的な虐待、親戚二人の焼身自殺を経験してきたらしい。すごい人生で興味がわいたが、大橋由美名義でのエッセイなどは少し探した限りでは見つからない。
井島ちづるは不思議な人だと思った。欲が強いわけでもなさそうなのに、なぜめちゃくちゃなことをやって目立とうとするのだろう…… 自分が出演したAVを他の人と一緒に見たがるのもどういう心理なのか分からない。著者もふつうの人とは考え方がずれていて、独特の空気感がある本だと思った。
結果的に井島は界隈では伝説的な人になれたと言って良いのだろうか。痛々しさや哀れみの気持ちと共に思い出されることが多いとしても。