ブックサンタ・シェアケーキについての疑問

本が好きなのでブックサンタの活動を目にする機会が多い。
ちょっと前までは手放しで称賛されているように見えたが、人気のある村上信五さんがチャリティーサンタに参画したからか、注目されてブックサンタを実施している団体に否定的な見方が増えてきた。
正直、発信や情報管理がうまくない組織のようなので批判されるのも仕方ないと思う。
以下にブックサンタの疑問点や批判を書く。
知り合いに誘われたりしたら、ある程度根拠のある参加したくない理由を考えておく必要があるため。
https://x.com/charitysanta14/status/1803061986483167498

不明なことや疑問がありましたら、投稿や拡散をするのではなく、まず当団体にご質問ください。

とのことなので、メールフォームから疑問を送ってみたのだが、一ヶ月以上返事が来ていない。どの程度待てばいいのかの目安の記載もない。
自動返信の受付メールのようなものが来なかったので、送信に成功しているのかがそもそも分からない。
今後返事が来たら記事を加筆修正したい。
・2024年9月3日 追記
9月に入って、2024年6月下旬に二通送ったメールのうちの一通にチャリティーサンタから返信が届いた。
システムエラーにより私の送ったメールは今まで届いていなかったとのこと。
X、ホームページ、メールフォームを見てみたが、メールフォームからのメールが届いていない可能性があるという告知はされていない。
返信が遅くなったことについては謝罪されたが、メールが届いたり届かなかったりするシステムをどうにかするつもりはなさそうだった。
他に送ったメールがあるならもう一度送ってほしいとのことだが、「その情報は公開していない」で済まされそうなので、むこうがメールに気づいてくれるまで返信を待とうと思う。
その他の2024年9月3日追記部分
・寄付されたすべての本が子供に届くのか?
本そのものを寄付すれば確実に誰かに届くと思っている人がいそうだけど、それは誤解のような気がしている。
多くの人はまともな本を選んでいるだろうけど、子供に渡したくないような本を寄付する人がいることは充分考えられる。善意で自分の所属する宗教の本を寄付する人は存在するだろう。疑似科学本とか、スピリチュアル本とかも。
すべての本がそのまま子供に渡されるとは考えにくい。
クラウドファンディングのページから一部抜き出し。
https://camp-fire.jp/projects/629341/view

「このリターンを選択する」画面で、あなたがプレゼントしたい本の名前をお書き下さい。なお、特に希望がない場合は、本の名前を書かなくても構いません。そこでリターンの基本は「サンタにおまかせ」としています。
集まる本に偏りが出てきてしまう恐れがあるため、サンタにおまかせ(本の指定なし)が一番助かります。
※公序良俗に反するものなど、子どもに届けられない本が指定された場合は、希望に添えない場合もありますのでご了承ください。

「子どもに届けられない本」を指定されることを想定しているらしい。
では、現物で寄付された場合は?
はてな匿名ダイアリーで見かけた書き込み。
https://anond.hatelabo.jp/20231220143924

対象外のものを選ばれたお客様が「どうしてもこれを寄付したい」とレジに持ってきた場合は、お受取ください。適切な形で子ども達に届けます。

他の情報源が見つからないのだが、ブックサンタの本を受け付けている書店へのお願いっぽい感じがする。
「適切な形で子ども達に届けます」ということは、基準に合わない本は一回売って、そのお金で他の本を買うか、団体の活動資金にするのでは?
チャリティーサンタのサイトで、古本で寄付する方法も紹介されている。
古本で寄付する | サンタクロースならNPO法人チャリティーサンタ
https://www.charity-santa.com/join/secondhand-book/
上記のページで紹介されているのは、株式会社バリューブックスによるチャリボンという仕組み。書籍・DVDを送ることでチャリティーサンタの活動の支援が行えるらしい。チャリティーサンタだけではなく、その他の団体も寄付先として選択できる。
このバリューブックスとブックサンタの具体的なつながり方は気になる。いかにもチャリティーサンタ的にいらない本を引き取ってもらってそうな感じがするのだが。
一見問題なさそうな本でも、本を選ぶ人の裁量で贈る本から弾かれることも考えられる。寄付された全タイトルの中身を調べる余裕はないだろう。
もし新品同然の本が古本として出回るなら、意図せず自分が好きな本の著者にダメージを与えることも考えられる。新品がそのまま中古扱いになって安くなるなら、そっちを買う人もいるだろう。
現物寄付ならそのままの形で対象者に渡るという保証など無い。
ブックサンタで推奨している本は公開されている。ざっと見た感じ思想的な偏りは感じない。
https://bookshop.charity-santa.com/
本の内容自体には思想の偏りが少ないが、SNSなどで自分の思想をはっきり書いている作家は一定数存在する。そのイメージで子供に渡す本から除外されることはないのだろうか……
選書の基準が公開されていないので、どういう書籍が弾かれるのは分からないところは不信感につながると思う。
また、単純に目標を超えた分の本は翌年に回されるらしい。
https://twitter.com/charitysanta14/status/1736761369914147162

「目標を超えた分はどうなるの?」というご質問を頂きますが、「翌年の早めに届ける用の在庫分」としています。

年末に「今頃受け取った子供が喜んでいるかな?」と思いを馳せても、自分の寄付した本はまだ届いていないかも。
・個人情報漏洩問題
Xで、ブックサンタが一部の参加者の氏名をメールで漏らしたという情報を二件見かけた。その件について謝罪のメールが送られてきたようだ。
そして、謝罪メールでさらに氏名を漏らしているケースがあるらしい。

この方は投稿を削除されたので、ユーザー名は伏せる。


「ご不安な気持ちにさせてしまい申し訳ありません」「個人情報の漏洩などではありませんので」という謝り方はピントがずれていて良くないと思う。

https://twitter.com/yuto_no_nichijo/status/1740305491186811322

ブックサンタ、お礼メールの宛名を間違って送ってて、お詫びメールの中に「個人情報流出ではありません」って書いてあるけど、ブックサンタの参加者は本来ならば他の参加者の氏名を知り得ないんだからゴリゴリの個人情報流出じゃない…?
個人情報保護委員会は氏名も個人情報に含むという見解だけど…

https://twitter.com/yuto_no_nichijo/status/1740381678835802325

ブックサンタの取り組み、すごい素敵やなと思って俺も参加したし、子どものために頑張ってる人にあんましイチャモンつけたくないけど、参加者の信頼を損なうような言動は回り回って活動の価値を下げるんじゃないかなぁ…

この投稿にブックサンタ公式アカウントが返事をしている。
https://twitter.com/charitysanta14/status/1740400588737982811

「ご指摘ありがとうございます」か。誤字を教えてもらったみたいな反応だ。
こういう場合はまず謝るのが筋なんじゃないかと思う。
・どのように本と子供をマッチングしているのか
https://www.instagram.com/p/Cz3wtDRpoyR/

そして、クリスマスプレゼントの選書も始まり、第一便を子ども達の元へ発送致しました!(画像3枚目)
皆様の想いをしっかり届けられるように、毎日スタッフ一同で一生懸命選書をしていますメモする
ご家庭に
・応募動機、年齢、子ども達の好きな事、ハマっている事
などを入力して応募して頂きます。
そのデータをご家庭情報シートとして書き出し、1人ひとりに合った本を選んでいます!

このように、選書が丁寧に行われている様子も紹介されているが、あまり丁寧ではないかもしれないと感じる場合もみつけた。
https://smf-hokkaido.com/2020/12/13/%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%80%80%E7%B5%B5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%BC%E3%83%B3%E3%83%88/

年齢に合わせた絵本を届けるために、NPO法人ねっこぼっこのいえ 代表の小林真弓さんに、事前に仕分けをお願いしました。

寄贈された団体が単に年齢別に分けているように読み取れなくもない。マッチングのやり方はけっこう適当な時もあるんだなと思う。
・話題のツイートへの反応?

https://twitter.com/charitysanta14/status/1735329408746242275

ブックサンタに批判的?なポストが少し注目されているようです。
「光が強くなるほど、影も生まれる」という言葉を知ってから、影も必然と考えているため私達は大丈夫です。
しかし嬉しかったのは、そのポストに「建設的に意見を返されてる方」が何人もいらっしゃったこと。ブックサンタが大切にしている部分をご紹介くださっていました。
それを見て、私達のほうでももっと活動の実態や裏側、子ども達へ配慮・工夫していることを発信していこうと思いました。

このポストの「批判的?なポスト」に当たるのは下の投稿のことだろうか?
https://twitter.com/kiris_kirimura/status/1734980874678980644

ブックサンタで好きな本を子どもたちに布教できるのでは!?って話を見かけたけど、普通のイベントのプレゼントとして布教されるのってめっちゃ嫌じゃないですか?プレゼントされる側の子どもがリアルタイムで読みたがってる本を贈ってほしいと思ってしまう だって金出す奴の言うことを聞け理論じゃん
布教、あくまで対等以上の人間関係内でやってほしいなと思うんですけどだめ?どうしても読んでほしいならプレゼントイベントと無関係の時期に個別にやるとか……

どのポストのことかもはっきりと指定しないし、「光が強くなるほど、影も生まれる」とかいうポエムで返してるのが嫌だなぁ。
「現金による寄付などを使って色々な本を用意するので大丈夫」など、具体的な説明をしてほしいものだが。
寄付した人の思いのこもった本がチャリティーサンタに大切に扱われ、子供に届くことを祈る。


シェアケーキの件について。
貧困層じゃなさそうな家庭にケーキが三年連続で当選しているということで話題になっていたらしい。探したが、その人の投稿のスクリーンショットなどはみつけられなかった。ただ、多くの人が見ていたようなので、ある程度は事情がつかめる。
https://x.com/charitysanta14/status/1804065221985865824
チャリティーサンタによるこの説明がネットで囁かれていることの裏付けになっている。
大切なのは、意外と所得の高い人がシェアケーキの抽選の対象になっているということかもしれない。
寄付する人は、シェアケーキやブックサンタのプレゼントを受け取るのは、生活保護世帯か、生活保護を受けてもいいレベルなのに受けていない世帯、生活保護を受けられないが低賃金で働いてギリギリ生活を保っているような世帯を想像しているかもしれない。
しかし、チャリティーサンタの対象者をよく見てみると……
誕生日ケーキを寄付で届けるシェアケーキ | NPO法人チャリティーサンタ
https://sharecake.charity-santa.com/

Q. 対象となる子どもは、どんな子どもたちですか?
対象となる子どもの基準:児童扶養手当の受給世帯、就学援助受給世帯、生活保護の受給世帯、またはそれに準ずるような状況にある世帯(プレシングル世帯など)が対象となり、所得が一定水準以下の子育て家庭の子どもたちへ届けられます。

この児童扶養手当、就学援助というのは調べてみると意外に制限所得が高い。
・児童扶養手当
児童扶養手当 東京都福祉局
https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/kodomo/kosodate/teate/zidoufuyouteate.html
児童扶養手当の支給対象は、基本はひとり親家庭。
所得制限は、扶養人数1人の場合は87万円。一部支給の場合は230万円。年収ではなく、所得である。
年収の目安も合わせて紹介しているページによると、所得87万円は年収160万円。所得230万円は年収365.0万円。
参考:https://m-coach.jp/media/446/
シェアケーキの対象となるのが最も多いのはこの「児童扶養手当」の受給世帯らしい。
・就学援助
就学援助は自治体によって条件が違うようだ。
札幌市の場合、世帯人数二人で所得限度186万円(年収277万円くらい)
江戸川区は世帯人数二人で世帯所得227万円以下。
大田区は世帯人数二人で所得300万円(年収431万程度)。
こうして見ていくと、一般的に持たれているであろうイメージよりも多少余裕のある家庭が対象になっていても不思議ではない。逆に、チャリティーサンタが大変な家庭なんですと強く主張するのが謎である。
なんか都合悪いことあるの?と不信感を持ってしまう。
問題視された家庭の人が芸能人のファンクラブに複数入っているということには触れていないらしいし。
他人の貧困をジャッジすべきでないという見方もあるだろうが、寄付した人の中には、自分よりも恵まれた環境の人に寄付をしたかったわけではない人もいるのではないかと思う。
もし所得の低い順にケーキが配られているなら、貧困層に充分にケーキが行き渡って、問題視された家庭のように節約しながら娯楽も楽しめる世帯にも届くようになったということで、喜ばしいと思う。その場合は貧しい子供を強調する宣伝はやめてほしいと思うが……
ただ、もし例の家庭より生活が厳しいのにケーキをもらえていない家庭が多いのなら、チャリティーサンタの配り方は問題視されても仕方ない。具体的な配り方が気になるところではある。

・2024年9月3日追記

チャリティーサンタにメールで、シェアケーキの抽選は、年収・所得の低い順に当選するのかどうか聞いた。
家庭の対象確認以降の抽選方法の公開はしていないとの回答だった。
たとえば、大田区港区の所得362万円(年収507万円)の両親+子供の家庭に当選して、もっと年収の低い家庭に当選しない可能性はあるということだろうか。
ブックサンタの対象はシェアケーキより曖昧。19才以上でももらえることがあるらしい。
よくある質問 – ブックサンタ公式ホームページ
https://booksanta.charity-santa.com/qa/


興味深い投稿があった。
https://x.com/writer_kaya/status/1804340554911879310

何度もシェアケーキに寄付させていただきました。
今回のことでフォームから問い合わせした際に、運営から「あなたは何度も寄付したと言ってるけど、調べたら寄付回数1回だったよ」と返事が来ました。
私はシェアケーキ2回、ケーキのWAに1回、寄付しました。ブックサンタも。
本当に何回も寄付しているのに、そんな言い方をされて、悲しくなりました。私は嘘はついていません。
寄付者の管理がきちんとしておらず、信用できません。今後の寄付は見送らせていただきます。

この方の過去の投稿を見ると、善意で何度もサービスを紹介し、複数回寄付している純粋な支援者に見える。
https://x.com/writer_kaya/status/1605908627197284357
2022年12月22日 ブックサンタ 寄付の証拠つき
https://x.com/writer_kaya/status/1738057693171249254
2023年12月22日 ブックサンタ 寄付の証拠つき
https://x.com/writer_kaya/status/1801607976937214255
2024年6月14日 シェアケーキ 寄付の証拠つき
その他、活動を広めている投稿
https://x.com/writer_kaya/status/1668924418012356609
https://x.com/writer_kaya/status/1696857526405566892
https://x.com/writer_kaya/status/1705825884513693774
https://x.com/writer_kaya/status/1706190047769444855
https://x.com/writer_kaya/status/1668924418012356609
具体的な返信の内容はわからないが、
氏名流出の件と合わせて、情報の管理は大丈夫なのだろうか……
私は寄付したくないというだけで、こういった活動を支援する方は素敵だと思う。


・商標登録出願(2024年8月4日追記)
ケーキのWA
https://x.com/trademark_bot_6/status/1819835178912542832
推し寄付
https://x.com/trademark_bot_6/status/1819835469099610294
チャリティーサンタが上記の二つを商標登録しようとしたらしい。
商標登録は必要なのだろうか。特に「推し寄付」のほう。そういう活動が広まってほしいというより、自分のところで独占したいのだろうか。
商標登録は、出願料、審査請求料、登録料、維持費用などがかかるよね。
資金に余裕が出てきたということなのかな。